歌手は、基本的に歌うことが仕事です。「歌う」と一口に言っても仕事の種類はさまざま。例えば、ライブを開催したりCDを出したりと表に出て華やかに活躍する歌手もいれば、その後ろでバックコーラスを担当する歌手もいれば、そして、CMソングのシンガーや仮歌シンガーなど、声だけを提供する歌手も存在します。下積み時代には、主にバックコーラスや仮歌の仕事をメインにこなしていくことになるはずです。
歌手は浮き沈みが激しい職種なので、収入がどれくらいあるのか一概にはいえません。年収100万円に満たない人もいれば、ヒット曲を飛ばして億単位の収入を得ている人もいる業界です。
歌手はレコード会社と事務所に所属して、それぞれから収入をもらいます。楽曲を売り上げたら、印税による収入も発生します。新人の場合は、事務所から10万円~20万円くらいの月給をもらいながら活動を続けるケースがほとんどです。
オーディションには、主に2種類あります。レコード会社が主催するオーディションと、事務所が主催するオーディションです。
内容は、主催が異なるだけでほとんど同じ。オーディションはいろんなところで開催されていますが、オーディションに受かったからといって歌手になれるとは限りません。
歌手としての技術を磨きながら、業界と強い繋がりを持つ事務所で人脈を広げていくことが、歌手になる一番の近道だといえます。
ライブに出演することも、歌手になるチャンスを得られる活動ですね。経験や実績を積み、人前で歌うことに慣れるのがライブ出演をするメリットです。
また、ライブ会場にはお忍びで音楽関係者が訪れている場合があります。たとえ声がかからなかったとしても、他の出演者と顔を合わせてつくっておいた横のつながりが、後の音楽活動に活きてくるかもしれません。
最近はYouTubeやニコニコ動画に自分の歌を公開したことがきっかけとなって、歌手デビューする人が増えていますね。動画投稿のメリットは、いつでも投稿できて、誰でも閲覧できること。1度投稿してしまえば、たとえ自分が眠っていてもたくさんの人に自分の歌を聴いてもらうことができます。
しかし、動画を投稿するためには、ある程度の編集技術が必要です。また、カバー曲を歌わなければ注目を集めるのが難しいため、著作権がらみのトラブルを引き起こしやすいという点にも注意したいところ。
オリジナルの曲やカバー曲などを録音したデモテープを事務所に送り、歌を聞いてもらって自分を売り込むという方法もあります。
デモテープを送るうえで注意したいのは、いきなりテープを送りつけないこと。一方的に送り付けられたテープを事務所側がわざわざ聴くとは考えにくいですからね。必ず事務所へ連絡を入れて、確認を取ったうえでデモテープを送ってください。
歌手になるために取るべき行動は分かるけれど、歌手に求められる能力とは一体何なのでしょうか?
歌唱力
歌唱力は歌手にとって不可欠な能力です。歌のテイストに合った声を乗せるために、正確な音程やリズム感、声のボリュームや感情表現のコントロール力が求められます。
人を惹きつける魅力
ただ歌が上手いだけでは歌手としてやっていけません。独特の声質、ルックス、あるいはカリスマ性といった、人を惹きつけて離さない魅力も必要です。
歌唱力以外の「売り」
歌手は歌唱力だけでは生きられません。自分に歌唱力以外の売りや業界とのコネクションがなければ、歌手としてやっていくのは難しいでしょう。
業界のコネや音楽の知識を得る手段として、音楽専門学校に通って力をつけるのも一つの手です。ボイトレの知識や作詞力を身に付けておくと歌手としての活動の幅が広がります。