楽器・歌・ダンス・音楽工学など、さまざまな知識と技術を学べる音楽専門学校。在学中のカリキュラムや講師、卒業後の進路サポートなど、充実した内容でグローバルな展開をする、バラエティ豊かな学科がそろっているのが魅力です。卒業後に音楽専門学校での専門知識を生かし、リトミック指導員や音楽講師をやってみたいと考えている方もいるでしょう。そんな方のために、音楽講師資格などの取得法や資格の種類についてご紹介します。
音楽に関する資格の代表ともいえる資格に、教員免許資格があります。これは国公立・私立の学校の音楽の先生につくためには欠かせない資格ですが、現代の音楽に関する資格には、学校の音楽の先生以外にもたくさんの種類があるのを知っていますか?ここでは、音楽専門学校で取得できるリトミック指導員や音楽講師資格など、国家資格や民間資格についてご紹介します。
0~4歳程度の幼児に、リトミックと呼ばれる音楽療法を用いながら指導するための資格です。音楽やリズムに合わせてダンスをしたり、ピアノや歌、ゴムボールなどを使ったりしながら子供の体や心の調和を図り、協調性や自主性、表現力・感受性・創造性を育む仕事です。
リトミック指導員の育成に携わる「NPO法人・リトミック研究センター」が認定する資格は、「初級指導資格」「中級指導資格」「上級指導資格」、指導者としての実力が必要な「ディプロマB資格」「ディプロマA資格」が取得できる民間資格です。初級の資格には通信で取得できるものもありますが、音楽専門学校では、最上級の「ディプロマA」の取得が可能です。
国公立・私立の学校で音楽の教師として働くには、教育職員免許が必要となりますが、一般の音楽スクールやピアノ教室などの先生には、決まった免許の資格制度はありません。卒業後、スクールや教室での就職を考えている、いずれは自宅で教室を開きたいという人には、クラシカルやジャズ、ポピュラーなど、幅広い演奏法を学べる音楽専門学校での知識と技術は役に立つでしょう。
エレクトーンの多彩な演奏やアレンジなどを学べる音楽専門学校のエレクトーン科では、卒業後の進路として人気のヤマハ音楽教室の講師に必要な「ヤマハ音楽教育システム講師」の資格取得が可能です。音楽教室だけではなく、ヤマハ特約店スタッフとしての就職やブライダルなどの式典での演奏家としても活躍できる民間資格です。
乳幼児や年配者など、心や身体に障害を持つ人たちに、音や音楽、楽器の演奏などを通して、社会生活への適応力や脳機能やの回復・精神のやすらぎなどを与えながら音楽療法を行う資格です。「音楽療法士」の資格は「日本音楽療法学会」が認定している民間資格で、有料老人ホームや老人施設、病院などの就職に役立つ資格です。
コンサートや音楽ホール、舞台などの音響を担当する「舞台機構調整技能士」は、厚生労働省運営の「中央職業能力開発協会」が認定する国家資格です。就職の際に必須の資格ではありませんが、卒業後にミキサーとしての就職を考える人には、確かな知識や技術の証明にもなるので取得したい資格です。厚生労働省の資格認定校となっている音楽専門学校では、在学中に2・3級の受験が可能となっています。
映画やテレビなどで、シーンに合わせたさまざまな音を作り出しながら、インパクトを与えるのが「映像音響処理技術者」は、「一般社団法人 日本ポストプロダクション協会」が認定する民間資格です。映像の編集技術や音づけなど、資格取得に必要となる項目は多岐に渡りますが、音楽専門学校での授業にしっかり取り組むことで資格取得への道は開かれます。